歌手・美川憲一様の「楽屋着」を制作いたしました!!
今回の「楽屋着」は、世界的に活躍しておられるファッション・プロデューサーで、
着物デザイナーでもあるシェリー・ヤマグチ様のプロデュースにより、京都が誇る
職人達が集結し、それぞれの技を駆使して創りあげ、見事なコラボレーション
作品となりました。
シェリー・ヤマグチ様には、今回の制作総指揮をお願いし、デザインをはじめ、
生地選びから染色の指定、友禅柄の位置や、スワロフスキー・コンポーネントの
デザインや配置も手掛けて戴きました。
弊社、一の井は、シェリー様から「ぜひとも!」と御依頼を受け、今回の楽屋着の
メインとなる背中部分の手描き友禅による“ホワイト・タイガー”を担当させて戴き、
シェリー様からも、勿論、美川様からも絶賛の御言葉を頂戴いたしました。
漆黒に染め上げた表地のウロコ模様には「厄除け」の意味があり、
無事に舞台を勤めあげなければならないアーティストの縁起の護符となります。
裏地は、藤の花が咲き誇る襦袢地を使用、衿や袖口、ポケット、ベルト部分に
華やかな色どりを添えております。
スワロフスキーは、衿、袖、ポケット、背中、胸などに、品よく配されており、
キラキラ好きには、もう、たまらないハズ。
衿の淵には、ブラックジェットヘマタイト、袖や襟には、地色に合わせて
ライトアメジスト、背中の“Kenichi Mikawa”のネームロゴには、
燃え盛る火山の炎のように色が変化するボルケーノというスワロフスキーを
あしらっております。
そして!背中の中央には、一の井の友禅職人が、手描きで一筆一筆、
丹念にホワイトタイガーを描き、この楽屋着に“魂”を吹き込みました。
勇猛な虎ではありますが、品格もあり、優美で、よく見ると、虎の瞳にも
キラリと光るスワロフスキーが!
そして、首にはクリスタルの星のネックレスをしているという、なんともオシャレな
タイガーです。美川様のイメージにピッタリだと思いませんか?!
手前味噌ではありますが、本当に素晴らしい出来栄えでした。
ここに掲載した写真で、実物の素晴らしさがほんの少しだけでも、
みなさまに伝わると嬉しいのですが・・・・。
楽屋にて
最後に・・・。
タイトなスケジュールにもかかわらず、生地探しや染めに奔走して下さった
沢田商店の松田隆年さん、銀座の一流店の御仕立て多忙な中、この作品
の仕立てを優先して下さった藤工房の加藤義裕・明子さん、見事な虎を描きあげた
友禅職人の中村耕三さん、大勢の方々と職人さんの御協力のもと、本作品
が完成しましたこと、心から感謝し、ここにあつく御礼を申し上げます。
本当にありがとうございます! また素敵な仕事で御一緒しましょう!!
◆SHERRY YAMAGUCHI(シェリーヤマグチ)
ファッションプロデューサー、着物デザイナーとして活躍中
ロンドン育ち、英国王立芸術大学院卒。
「セックス・アンド・ザ・シティ」や「プラダを着た悪魔」のスタイリングで世界的に
有名なスタイリスト、パトリシア・フィールドの秘蔵っ子として知られており、
日本の伝統美と西洋が融合した彼女のデザインには著名人のファンが多く、
顧客は、ハリウッドスターはじめ、世界的に著名なミュージシャンやシンガーなど
が名を連ねる。
しかし、スターのステージ衣装をデザインするだけでなく、日本の伝統文化に精通した
知識と技術を活かし、龍、歌舞伎などの伝統衣装の製作にも精力的に取り組んでいる。
- by ICHINOI
- at 2009年07月29日